何年も前に会社、家、コレクション
全てを投げ捨てた男がいた。
切羽詰まった状況であった。
かなり、悩んでいた。
そして、相談を受けた。
内容的にオレは悩む必要はないと言った。
悩むと言うのは、選択の余地がある人間の行うべき姿だ。
どう聞いても悩めるレベルでは無い。
切り抜ける術は、2つしかない。
●諦めずに借金を重ね何とかなるかもと博打的に運を天に任す。
●全てを捨てて一からやり直す。
おれは、後者の考えしかない。
悩む必要のない一択である。
オレが見てきた
商売での失敗の多くは、手遅れになってからの
何とかなるだろうと運に期待してしまい
出来もしない発想や借金を重ね店舗を増やしてみたり
分の悪い博打に出てしまうのである。
稀に立て直せる人もいるが、特殊なケースである。
人生は、長いのである。
そこで全てを費やし終了させるのに
なんの意味もないのである。
ある一定の域にまで、下降すると
多くの人は、起死回生の一発や
売り上げを上げる為に借金を重ねたりするのである。
下から上に上がるのは非常に困難である。
一番復活できる可能性が高いのは
損切りのベストタイミングを見極めれるかどうかであると思う。
おれの商売論の中に
諦めない事も必要だが、戦術的撤退
と言う言葉がある。
逃げるのでなく、諦めるのでなく、未来での成功の為の戦略である。
誰にでもできる訳ではない。
商売での能力と未来を見る視野の高い人のみ可能にする。
その男は、能力が高い
なので、おれは、戦術的撤退を推進した。
商売の上手な人は、
無一文になっても自分自身という財産を持っているのである。
そして、数年の時を経て
その男から昨夜電話があった。
お金が余っているので
良いおもちゃはないかと。