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前回の話を読んでいない方は
前回の話
を読んで下さい。
そう、長年の沈黙を破り、わざわざ
公の場で書く気になった理由は3個ある
・久しぶりにこの状況になった
・似たような話を知り合いが突然言ってきた
・同じ経験の人間が世の中に居た
偶然とは思えないタイミングなんので書く気になったのである。
前回の続き
小4から2年後の
小学校6年生の冬休み位の出来事だ。
3階に幼馴染の女子が居た。
幼稚園からずっと同じで
親同士も非常に仲が良かった。
そんな彼女の家には、我々の狭い住宅には似つかわしくない
大きなグランドピアノ
と
彼女の身長に比例して高さを変えていく奇麗な鳴き声の鳩時計があった。
低学年の頃には、ピアノの周りで毎日遊び
鳩時計の時報を聞くのが心地よく彼女が鳩が出てくると
同調して前後に鳩の真似をしていた。
同じ高さだったので妙に鳩に似てるなと思ったもんだ。
ある日のことだ。
いつもの様に1階下の彼女の家に遊びに行った。
位置的には、オレが402号室で彼女が303号室だった。
つまり、斜め下に位置する場所になるのである。
階段を下りて左手にある筈の玄関が、右側にあった気がした。
しかし、深く考える事も無く、ピンポンを押す事も無く
いつもの様にドアノブを勝手にひねり、ドアを開けた。
誰もいなかったのである。
留守の時は、カギがかかっているのだが・・・と
暫く、玄関で彼女の名前を呼んだ。
狭い間取りの部屋なので玄関から片足だけを入室し
あたりを覗くと全部屋が見えるのである。
見渡すと誰も居ない。
つまり、カギの閉め忘れか、すぐに帰ってくるのか?
とにかく、変な違和感があったのを今でも覚えている。
しかし、留守が明らかになったので俺は、上の階の自宅に帰ることにした。
ドアを閉めた。
そして、一歩踏み出した時である
ドアが開いて彼女が玄関に立っていたのである。
今でもこの場面は非常に印象深く覚えている。
俺は、『おったんや?』と軽く口にだした。
そして、ニコッと彼女が笑ったので俺は、そのまま玄関に入り
ドアを閉めた。
その瞬間に俺は何んとも言えない不安に襲われた。
次の瞬間にそれが具体的に分かった。
先ほどまであったはずの、昔からずっと有ったはずの
大きな邪魔なグランドピアノが無いのである。
俺は、ピアノは!と少し大きな声で言ったはずなのだが
彼女は不思議な顔をしていた。
変な違和感を感じながらも何度も言ったのを覚えている。
恐らく、恐怖で何度も言う事しかできなかったんだろう。
ピアノが無い、ピアノが無い、ピアノは!と
しかし、彼女は無言のまま、驚いた顔で俺を見ていた。
無言の彼女に感じていた違和感に気が付いた。
鳩時計と同じはずの彼女の身長が鳩時計よりも低いのである。
俺は、非常に危険だと察知した。
とにかく、ココから出なくては、何かがおかしいと。
部屋から出ようとした瞬間である。
突然の吐き気と強い目眩に襲われた。
天井がグルグル回るという類のものでなく
真っ正面の景色に渦の様に吸い込まれて行く感覚である。
目の前が真黒になり、なぜか水の流れる音が聞こえた。
目を開けると
先ほどと違う光景である。
ピアノがあり、鳩時計も彼女と同じ高さである。
俺は、自分がおかしかったのだと脳がおかしくなったのか?
と、思ったが
元通りの風景なので少し安心したのを覚えている。
そして
彼女に、『さっき、変やったわ。ピアノないし、小さく・・・』
と
声を掛けた時に、気が付いた。
彼女は、先ほどのまま
無言で驚いた顔で俺を観ている。
知らない人を観るような感じではなく
何を言っているのか、理解できていない感じだ。
外国人に声を掛けられた様な感じだった。
つまり
言葉が通じていない感じに似ていた。
そして、彼女の横の鳩時計を観て
俺は、驚愕したのだ。
つづく・・・・